外壁塗装の正しい塗り方【DIYやプロの手順】

外壁塗装の正しい塗り方【DIYやプロの手順】

「外壁塗装は高額な工事になるからできれば自分で塗れたらいいけど、塗り方が分からない」「自分で塗ってもいいのだろうか」「そもそもどんなペンキを使えばいいの」というように多くの疑問があるのではないでしょうか。

外壁塗装は正しく行わなければ、塗装の効果を発揮することが出来ず、せっかく塗ったのに全然意味がなく、やり直しが必要になる場合もあります。
ここでは外壁塗装の正しい塗り方、使用する道具、外壁塗装のDIYの注意点をお伝えしますので、是非参考にして下さい。

外壁塗装の役割・目的【第一に建物の保護】

保護

「塗装」というと、多くの人が見た目をきれいにする(美観を保つ)為と思っているのではないでしょうか。しかし、本来の目的は美観を保つことではなく、大切なお住まいを長く守る(建物を保護する)ことです。

建物を塗膜(塗料が固まったもの、塗料の膜)によって防水し、寿命を伸ばしてあげる必要があるのです。
建物は、毎日、雨や紫外線、風を浴びているため、塗膜は日々劣化していきます。
それを塗り替えもせずに放置すると、外壁を傷つけたり、雨漏りを引き起こしたり、下地の柱を腐らせてしまうことにつながる可能性があります。

DIY(自分)で外壁塗装をする場合

DIY

初めて自分で塗装を行う場合、まずは道具に慣れる必要があります。小さなところから始め、刷毛やローラーの扱い方に慣れた段階で大掛かりな塗装に挑戦してみると大きな失敗を防ぐことができます。

DIYの注意点

  • 塗料は上の方から塗る
  • 均一に塗る
  • 一気に塗らない
  • 塗り残しは塗装が完全に乾燥してから修正する

基本的に塗料は上の方から塗っていきます。また、塗料を均一に塗るように心掛け、下塗り、中塗り、上塗りと3回の工程を行い、均一に厚い塗膜をつくることで耐久性の高い丈夫な塗膜になります。
塗り残しがあった場合、完全に乾燥してから他の面を塗るとキレイに仕上げることができます。塗装が乾く前に触れてしまうと、塗膜を引っ張てしまい、汚くなる恐れがあります。

DIYで塗装するときに用意するもの

塗装にはペンキ、ハケ、ローラー以外にもあると便利な用具がいくつかあります。どんなものを用意しなければいけないか、確認しておきましょう。

  • ペンキ
    下塗り塗料(シーラー、フィラー、さび止め塗料など。溶剤系または水性の適する方を選ぶ)
    仕上げ塗料(好きな塗料を選ぶ)
  • 刷毛(小物、壁の隅や床との境目を塗るときに使用)
    ローラー(壁などの広い面を一気に塗りあげるもの)
  • 作業用容器(バケット:ペンキを必要な量だけ移し替える容器)
  • 養生道具
    マスカー(ガムテープにビニールシートがついたもの。広範囲を養生)
    マスキングテープ(塗りたくない面をこのテープで丁寧に養生)
    床用養生シート(床がペンキで汚れるのを防ぎます)
  • ペイントうすめ液(必要に応じて、ペンキを塗りやすくするためにうすめたり、ペンキで汚れた箇所を拭き取るのにも便利です。)
  • その他(脚立、布やキッチンペーパー、ティッシュ、ナイロンタワシ、ハンドパッド、ワイヤーブラシ、サンドペーパー、手袋、ゴミ袋)

プロの手順(正しい塗り方)

ペンキ

建物の劣化の一番の要因は、塗膜の防水機能が低下することです。塗膜の防水性が切れてしまうと、外壁材に直接雨水や紫外線が当たり、外壁材や住まいの構造体の劣化・雨漏りにつながってしまい、最悪の場合は外壁塗装だけでは済まされず、建て替えが必要になるケースもあります。

そうならないように正しい手順での定期的なメンテナンスが重要になります。

外壁塗装の施工手順

STEP
足場の仮設

職人の安全性と作業性を確保するために足場を組立て、設置後は、塗料が飛ばないように周囲をメッシュシートで養生します。

STEP
外壁を高圧洗浄

塗料と建材の密着を強くする為、外壁に付着した埃や汚れを落とします。汚れやホコリ、カビなどを除去せずに塗装をすると、1年ともたずにはがれてくる可能性があります。

STEP
下地補修

外壁のひび割れや劣化したシーリング(コーキング)等の補修を行います。

洗浄したとはいえ、劣化した外壁にすぐ塗装をしてしまうと塗料がはがれてしまいます。

そのため、古い塗装をはがしたり破損した部位を修復したりします。

STEP
養生作業

窓ガラスや植木・地面の床等、塗装しない場所を保護するためにビニールやテープで覆います。

STEP
塗装(下塗り)

下塗りは、仕上がりの色となる上塗り材と外壁を密着させる接着剤のような役割を果たします。

STEP
塗装(中塗り・上塗り)

2回塗る理由は、外壁塗装の耐久性を高めるためです。手順を無視して1回しか塗装しないと塗膜がはがれやすくなります。実際の仕上がりの色の塗料を塗り、塗料の性能を発揮させる為、基準塗布量と乾燥時間を厳守して、塗り重ねます。

STEP
付帯部の塗装、手直しとチェック

外壁や屋根の細かい部位(破風板、軒天井、雨樋など)の塗装し、全ての工程が完了したあとは、手直しとチェック作業です。

STEP
足場解体

最後に足場を解体し、清掃をして工事完了です。

塗り方

塗り方には大きく2つ「ローラー工法」と「吹き付け工法」があります。

~ローラー工法~

ローラー

ローラー工法は原液に近い状態で手塗りしますので、環境問題や騒音対策といった面で問題が出にくいです。また、手間がかかる分、分厚い膜厚をつけることができるので、吹き付け工法より耐久性が高くなります。

ウールローラーが一般的には使われていますが、傷みのひどい場合やとにかく強い塗膜にする場合は、砂骨ローラーという最も膜厚を作れるローラーを使います。

メリット:耐久性が高い。環境に優しい。塗料が周りに飛び散る可能性が少ない。

デメリット:手塗りローラー工法は膜厚が厚い為、乾く時間が多くかかります。また、吹き付け塗装のように豊富な仕上げ模様がありません。

~吹き付け工法~

スプレーガン

スプレーガン、コンプレッサーといった機械をセットして、大きな音を出しながら外壁に塗料を吹き付けます。

手塗りに比べて一気に塗れるので、楽に早く均一に塗料をのせることができ、とてもキレイに仕上がります。

一方で、スプレーのように小さな穴から噴射するので、塗料を水やシンナーで希釈して使用しなければいけなく、塗料の本来の性能が発揮できるよう丁寧に施工することがポイントとなります。

また、塗料が拡散してしまうので、近隣の建物や車、洗濯物等に塗料がつかないようにしっかりと養生しなければなりません。

メリット:施工が楽。仕上がりがキレイ。

デメリット:ローラー工法に比べて耐久性が落ちやすい。塗料が飛び散るので養生が大変。

塗る際の基準

塗装する際には正しい塗布量、塗り重ね乾燥時間を守ることが大切です。
各メーカーより指定されている基準塗布量を守った塗膜を確保しないと、その塗料がもつ本来の性能は発揮されません。

また、下塗り、中塗り、上塗りと工程を重ねていく上で大切なのが塗り重ね乾燥時間であり、基本的に乾燥時間に最低1日はかかります。

一般的には温度が低い方が乾きにくく、湿度が高い方が乾きやすくなります。

乾燥時間は、塗料によって異なりますが、「夏場の20℃以上で~時間、冬場の10℃で~時間」などと塗料ごとに決まっているので、インターバルが不十分だと塗料の耐久性・性能が落ち、塗膜が剥がれてしまう原因となるのです。

DIYでできる外壁塗装の手順は?

手順

外壁塗装の手順のうち、足場の設置と解体以外はすべてDIYが可能です。

足場だけは個人で組み立てることができないため、業者に依頼しなくてはいけません。足場を設置・解体する費用相場は10〜20万円程度です。それでも、外壁塗装をDIYでする場合は手間賃が浮くため、工事費用が半額程度になるでしょう。

一方で、DIYの場合は業者に依頼するよりも工期が6倍以上かかります。業者に依頼するなら2〜3週間で終わる外壁塗装が、DIYだと3ヶ月以上かかるのです。

また、DIYだと手順を誤って塗装が1年ではがれる可能性が高いです。DIYによる外壁塗装はメリットよりもデメリットが多いため、よっぽどの自信がない限りは、確実性を求めて業者に依頼するほうがよいでしょう。

まとめ

外壁塗装はDIYや業者任せではなく、自分で手順を把握しておくことが重要

外壁塗装では、手順を把握して手抜き工事などの対策をとることで1年後に塗装がはがれるリスクを軽減できます。また、よほどの自信がなければDIYでの塗装工事はおすすめできません。すぐにはがれるリスクや膨大な作業量に追われることをお忘れなく。

外壁塗装の費用相場についてはこちらをご参考ください

関連記事

  1. 外壁サイディングの基本

  2. トイレのリフォームの失敗例から学ぶ

  3. 比較的安価にできるバリアフリー?

  4. 外壁塗装工事の前に確認すべきこと

  5. 洗面所(洗面台)のリフォームをお考えの方へ

  6. 外壁塗装の最適な時期とタイミング

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA